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適当日記。文について、CPが特に明記されていないものは南赤の方にも赤南の方にも読めると思われます。
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うい
帰宅途中に駅のホームで同期たちとしゃべってたら、隣に並んでたおねーさんがアカギ読んでるのを目撃してものすごく動揺しました。おかげでしばらく会話のキャッチボールがうまくいかなかったw


↓こいつはいずれリメイクしたいです。
あ、てか天読んでないとすごくイミフだと思います注意。

*****

小さな庭に、まるで景色と同化するかのように、白く日に焼け砂埃を被った木の椅子があった。脚には苔がへばりつき、何かの拍子についたらしい無数の小さな傷があった。
いつからそこにあったのか、置いた本人ですらもう、正確には把握できていないほど。幾年月もそこにあった。


南郷は、椅子に腰を下ろした。
ほとんど白髪になった髪をぽりぽりと掻き、ふう、と息をつく。
苔むした裏庭は、日陰のにおいがした。
持ってきた新聞を広げた。小さな文字の羅列に目をすがめる。
どうにか見えはしないものかと少し手元から離してみるが、どうやら無理そうだった。
懐から取り出した老眼鏡をかける。
落ち着く体勢を探して身じろぎすると、ぎしりと椅子が音をたてた。

ぱらぱらと新聞をめくった。
流し読む欄、読み飛ばす欄、読み込む欄。
毎日の日課に、目線の移動も指先の動きもひどく滑らかだった。
 
そういえば、えらく長いこと続いたもんだ。南郷は思った。
昔は活字を読むことなど大の苦手だった。
ただ必要に迫られて始めたこの習慣。続けてみれば何十年などあっという間だった。
今ではどうして苦手としていたかさえ思い出せないほど。

ああ、ただ、それを手に取ったきっかけだけは鮮明におぼえていた。
忘れようはずもなかった。


ふと、目が留まった。

最近、人の不幸をよくきく。

取り残される感覚というのは、それこそ活字と仲良くなる以前から何度となく味わってきていた。
怒涛の日々というのもあった。
慣れたものだとも思っていた。
ただ、ゆるやかに知っていた景色が消え去っていく様子には、どうにもやりようのない淋しさがあった。





ぎしりと音がした。南郷が顔を上げると、まるで当然のようにそこに腰を下ろした白髪の男。
煙草をくゆらせ、向かい合った椅子に、そこが元々の居場所ででもあるかのように。

「ここは禁煙だぞ。」
「知ってるよ。」

ああなるほど、先のはただのいたずらか。
 
目線を落とした。
指先に紙をつまみ、並んだ文字を、まるで閉じ込めるかのように、蓋をするようにそっとおろした。
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