適当日記。文について、CPが特に明記されていないものは南赤の方にも赤南の方にも読めると思われます。
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Category : 文
働きたくないでござる・・!絶対に働きたくないでござるー・・!
なんて思っているわけではないですがやっぱり1人で家にいるのは寂しいでござる。
pxさんは今朝までうちにいてくれたわけですが、それすら夢のようです。
現実って本当に超えられない壁ですね。
まあ・・二次元の方がもっと超えられない壁ですけどねっ
↓ちょっと前に書いたやつに加筆しました。
虫とノートの間に来るやつです。ちょうど区切りがいい気がしたところで上げてみる。
こういう着地点が完全に決まってる状態で話書くの初めてなんでちゃんと終わるか不安w
なんて思っているわけではないですがやっぱり1人で家にいるのは寂しいでござる。
pxさんは今朝までうちにいてくれたわけですが、それすら夢のようです。
現実って本当に超えられない壁ですね。
まあ・・二次元の方がもっと超えられない壁ですけどねっ
↓ちょっと前に書いたやつに加筆しました。
虫とノートの間に来るやつです。ちょうど区切りがいい気がしたところで上げてみる。
こういう着地点が完全に決まってる状態で話書くの初めてなんでちゃんと終わるか不安w
****
ざあざあと激しい雨が屋根を叩いている。
滝のように雨どいを伝う。窓を伝い落ちる。
真っ黒な空から、後から後から湧き出るように、雨が。
まさか、と耳を疑った。
南郷は脇に抱えた仕事鞄もそのままに、瞬きも忘れて立ちつくした。
穴の開いた黒い傘からは水滴がぼたぼたと滴ったまま、内まで濡れた革靴の不快さなどどこかに吹き飛んでしまう程に、疑わしいまでの言葉が、神経をぬるりと伝う。受話器から漏れ出る声が遠退き、続けられた台詞が意味をなさない雑音のように皮膚の表面を滑った。
雨音すらかすれるようだった。
どういうことですか。
容態は。
今、どこに。
問い掛ける言葉はのどに引っかかったまま、外まで出てこない。
とにかく、落ち着こう、深呼吸だ。
すう、はあ、息をついて目を瞑った。
口腔を風が掠める。
深く吸い込んだ息が僅かな冷たさを伴って肺に落ち込んだ。
すう、
目を開いた。
目頭を押さえる。
瞬きする。
薄暗い電球さえ眩しく感じるほどに、閉じた瞼の向こうは底のない暗闇だった。
その感覚に、自分が得ている恐怖が、いかに大きなものであるかを自覚した。
アカギが、入院したらしい。
社会の裏側で生きているような人間にとって、多少の怪我などものの数には入らない。
過去にそちら側に片足を突っ込みかけた南郷には、そのことはよくわかっていた。
ましてや赤木のことだ。たったの数回間近でみただけの闘牌でさえ、凡人の自分にとっては神経が擦り減るどころか、根こそぎ焼ききれるのではないかと思うほど、狂気の沙汰としか思えないものだった。
そしてそれは、そのまま彼の生き様であり、どうやら神経が焼き切れるような行為こそ彼の求めるものらしいと、短い付き合いの中で南郷は理解もしていた。
彼の生活は常に死と隣り合わせなのだ。
しかし同じくらいに、彼と死とは一致しない言葉のように思えた。
石川の言葉が頭をよぎる。“こっちが5人以下なら係わり合いにならない方が無難”、確かそういっていた。
南郷自身は見たことはないが、腕っ節もよほど立つらしい。
その赤木が、今大怪我で病院にいるという。
これはよっぽどのことに違いない。
安岡が、たかが一般人である自分にまで連絡を寄越したのも不安に拍車をかけた。
まさか、まさか。
ネガティブにばかり思考が動く。
「南郷さん?」
大家である老婆の、心配するような顔が覗き込んだ。はっと我に返る。
雨音が急速に近づき、受話器の口から漏れる音に縋り付くように呼びかけた。
「や、安岡さ…!」
しかし聞こえたのは無情にも断線した後の電子音。
ため息をつき、ガチャリと黒電話を元に戻した。
受話器を握り締めていた手の平に汗が滲んでいる。
「大丈夫かね?」
「…あっ!すいません」
そこでやっと傍らの老婆に意識をやった南郷は、視線を移す途中で木の机の上に放置された紙束を認めた。その表面に、達筆な字で綴られたいくつかの単語。
「まあいいけども、年寄りの横であんまり大声」
「お、おばあちゃん、これは!」
視線と指先で机上を指し示しながら南郷は必死で尋ねる。
眉間の皺をいっそう深めながら、老婆は南郷の鬼気迫った声に気押され答えた。
「さっきの電話のにいちゃんから言付け受けてた途中でアンタが帰ってきたもんだからね。なんだい、誰か入院でもしたのかい?」
ほら、老婆は言いながら、ぴっという音をたて紐で綴じられた束から抜き取った紙片を差し出した。
「ああああっありがとうございます!おばあちゃん!」
紙片をひっつかみ、言うや否や、南郷は走り出した。
***
走り去る男の後姿をあっけに取られたように見送る。
「まったく、いい年してあんなに慌てちまって」
老婆は言った。
「鞄も忘れて。よっぽど大事な人なのかね。」
男の慌てふためきようを思い出し、苦笑い。
相変わらず雨は止む気配を見せない。
小川のようになった道を、ばしゃばしゃと、足音が遠ざかった。
****
ひとりごと
電話切れるのって断線っていう?言わなくね?
ざあざあと激しい雨が屋根を叩いている。
滝のように雨どいを伝う。窓を伝い落ちる。
真っ黒な空から、後から後から湧き出るように、雨が。
まさか、と耳を疑った。
南郷は脇に抱えた仕事鞄もそのままに、瞬きも忘れて立ちつくした。
穴の開いた黒い傘からは水滴がぼたぼたと滴ったまま、内まで濡れた革靴の不快さなどどこかに吹き飛んでしまう程に、疑わしいまでの言葉が、神経をぬるりと伝う。受話器から漏れ出る声が遠退き、続けられた台詞が意味をなさない雑音のように皮膚の表面を滑った。
雨音すらかすれるようだった。
どういうことですか。
容態は。
今、どこに。
問い掛ける言葉はのどに引っかかったまま、外まで出てこない。
とにかく、落ち着こう、深呼吸だ。
すう、はあ、息をついて目を瞑った。
口腔を風が掠める。
深く吸い込んだ息が僅かな冷たさを伴って肺に落ち込んだ。
すう、
目を開いた。
目頭を押さえる。
瞬きする。
薄暗い電球さえ眩しく感じるほどに、閉じた瞼の向こうは底のない暗闇だった。
その感覚に、自分が得ている恐怖が、いかに大きなものであるかを自覚した。
アカギが、入院したらしい。
社会の裏側で生きているような人間にとって、多少の怪我などものの数には入らない。
過去にそちら側に片足を突っ込みかけた南郷には、そのことはよくわかっていた。
ましてや赤木のことだ。たったの数回間近でみただけの闘牌でさえ、凡人の自分にとっては神経が擦り減るどころか、根こそぎ焼ききれるのではないかと思うほど、狂気の沙汰としか思えないものだった。
そしてそれは、そのまま彼の生き様であり、どうやら神経が焼き切れるような行為こそ彼の求めるものらしいと、短い付き合いの中で南郷は理解もしていた。
彼の生活は常に死と隣り合わせなのだ。
しかし同じくらいに、彼と死とは一致しない言葉のように思えた。
石川の言葉が頭をよぎる。“こっちが5人以下なら係わり合いにならない方が無難”、確かそういっていた。
南郷自身は見たことはないが、腕っ節もよほど立つらしい。
その赤木が、今大怪我で病院にいるという。
これはよっぽどのことに違いない。
安岡が、たかが一般人である自分にまで連絡を寄越したのも不安に拍車をかけた。
まさか、まさか。
ネガティブにばかり思考が動く。
「南郷さん?」
大家である老婆の、心配するような顔が覗き込んだ。はっと我に返る。
雨音が急速に近づき、受話器の口から漏れる音に縋り付くように呼びかけた。
「や、安岡さ…!」
しかし聞こえたのは無情にも断線した後の電子音。
ため息をつき、ガチャリと黒電話を元に戻した。
受話器を握り締めていた手の平に汗が滲んでいる。
「大丈夫かね?」
「…あっ!すいません」
そこでやっと傍らの老婆に意識をやった南郷は、視線を移す途中で木の机の上に放置された紙束を認めた。その表面に、達筆な字で綴られたいくつかの単語。
「まあいいけども、年寄りの横であんまり大声」
「お、おばあちゃん、これは!」
視線と指先で机上を指し示しながら南郷は必死で尋ねる。
眉間の皺をいっそう深めながら、老婆は南郷の鬼気迫った声に気押され答えた。
「さっきの電話のにいちゃんから言付け受けてた途中でアンタが帰ってきたもんだからね。なんだい、誰か入院でもしたのかい?」
ほら、老婆は言いながら、ぴっという音をたて紐で綴じられた束から抜き取った紙片を差し出した。
「ああああっありがとうございます!おばあちゃん!」
紙片をひっつかみ、言うや否や、南郷は走り出した。
***
走り去る男の後姿をあっけに取られたように見送る。
「まったく、いい年してあんなに慌てちまって」
老婆は言った。
「鞄も忘れて。よっぽど大事な人なのかね。」
男の慌てふためきようを思い出し、苦笑い。
相変わらず雨は止む気配を見せない。
小川のようになった道を、ばしゃばしゃと、足音が遠ざかった。
****
ひとりごと
電話切れるのって断線っていう?言わなくね?
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