適当日記。文について、CPが特に明記されていないものは南赤の方にも赤南の方にも読めると思われます。
Category : 文
おかげさまで風邪はほとんど治りました!
心配してくださった方どうもありがとうございましたvv原稿頑張りまーす!
心配してくださった方どうもありがとうございましたvv原稿頑張りまーす!
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刺すような、とは本当にうまく言ったものだ。視線には圧力があるとはよくいうが、あいつの視線にはきっと殺傷能力すらあると思う。
布団の中で、朝を鳴く雀の声を聞きながら、ぴりぴりと肌が痺れるのを感じた。普段からあまり寝覚めのよい方ではない南郷は、それを味わっていよいよ布団と一体化したくなる。ああこの心地よいまどろみの中いつまでも
「南郷さん」
そんな現実逃避も、耳元に吹き掛けられた甘い声に、最後までゆめみることは許されなかった。
いつだってこの声は、南郷に覚醒を促す。
時に、身ひとつで崖から飛び降りる行為にも等しい狂気の沙汰を。時に、心地よい暗がりから、容赦なく照り付ける灼熱の太陽の下に身を晒す行為を。
「……起きてるんでしょ?南郷さん」
赤木は人の気配に敏感だ。
気配というのは、人の存在そのものだけでなく、意識の有無やその方向なども含む。要するに、第六感が鋭いのだ、異様に。彼の才能については、誰もが認める通りだと南郷も思う。
しかし、そんなのをこんなところで発揮する必要はない、断じて。
「もうちょっと…―」
寝汚いふりをして、南郷は寝返りを打とうとする。しかしいつの間にか顔面を赤木に固定されていて、最後まで体勢を入れ替えることはできなかった。
「おはよう」
南郷は恐る恐る目をあけた。目の前には予想通り赤木の顔が。
「……」
人に目覚めの瞬間を見られるのはどうにも恥ずかしいものだと南郷は思う。しかし赤木は楽しむようにそれを眺めている。顔をすぐ傍に近づけて。
針のような視線を感じるのは、目覚めるほんの少し前から。
夢というものには、往々にして実際の出来事が作用する。
暫く前から、南郷は度々おかしな夢を見ていた。誰かが目からビームを発射し高らかに笑いながら攻撃してくる夢。始めは妙な夢だと笑い飛ばしていたところ、それが何日も続き、段々とその誰かの顔が明瞭に赤木のかたちを成してきた。これはおかしい、どうしたことだ。流石に南郷はいぶかしんだ。
赤木…、確かに赤木がきてからというもの毎晩のように体を求められては貪るように食われているわけだが、それは今に始まったことではない。どうしてこのタイミングで、しかもあんなファンタジックな夢を…
はた、と思い当たった。同時にそれがほぼ核心をついた答えであろうと南郷は確信した。
夢を見始めてから、毎朝目が覚めると赤木と目が合うのだ。
こんなこと誰かに相談しようものなら、のろけにしか聞こえないんだろう。
しかし南郷にしては死活問題だった。その夢はほとほと恐ろしく、南郷にいつか本当に射殺されてしまうのではないかという恐怖さえ与えるものだった。
きっとそうだ。赤木は俺が目覚めるのをちょっと前から察知してじっと見詰めているんだ。
「な、なあ、アカギィ」
「なに?」
流石にあまりに間近に顔を付き合わせすぎるのは居づらかったので、南郷は上体を起こした。赤木もつられて体を起こす。
「お前…、その、…なんだ、最近、よく目が合うよな」
何やらまわりくどい言い方をしすぎて、自分でも何がききたいのかよくわからない台詞になってしまった。
それは赤木にも同じだったようで、嬉しそうに笑って、そうだねと返してくる。
何やら誤解を与えてしまった気さえする。南郷はなんだか恥ずかしくなって、がばっと立ち上がると、顔洗ってくる!と洗面所にかけこむのだった。
**
今のはちょっと予想外だったな。未だ南郷のぬくもりの残る、広げられた布団に埋もれながら、赤木は思った。
いかつい外見に似合わず、南郷は本当に可愛らしい。先程の台詞にしかり、その後の照れ隠しも、実にいい歳したおっさんとは思えないほどにうぶでからかい甲斐があって本当に可愛い。
寝覚めの南郷を凝視するというここ最近の行為も、ひとえに起きぬけの焦点の定まらない視線を第一に浴び、それから徐々に意識の覚醒する様を観察し、さらに目の前の対象を認識するまでの数秒を待ち、更に更に照ながらのおはようというあいさつを受け取った後に、軽くキスを交わし(中略)何がひとえか!それは赤木にとっては十重二十重ほども目的のある行為だった。南郷が、どうやら自分の寝顔を観察されているらしいことに気付いたようだということに、赤木はもう気付いていた。そのせいで妙な夢を見ているらしいことにも。だが、そういった諸々の反応さえ愛しいのだから仕方ない。
開き直って、赤木は、次は何をしてやろうかと真剣に考え始めるのだった。
**
白状すると全然一時間で終わらなかった
布団の中で、朝を鳴く雀の声を聞きながら、ぴりぴりと肌が痺れるのを感じた。普段からあまり寝覚めのよい方ではない南郷は、それを味わっていよいよ布団と一体化したくなる。ああこの心地よいまどろみの中いつまでも
「南郷さん」
そんな現実逃避も、耳元に吹き掛けられた甘い声に、最後までゆめみることは許されなかった。
いつだってこの声は、南郷に覚醒を促す。
時に、身ひとつで崖から飛び降りる行為にも等しい狂気の沙汰を。時に、心地よい暗がりから、容赦なく照り付ける灼熱の太陽の下に身を晒す行為を。
「……起きてるんでしょ?南郷さん」
赤木は人の気配に敏感だ。
気配というのは、人の存在そのものだけでなく、意識の有無やその方向なども含む。要するに、第六感が鋭いのだ、異様に。彼の才能については、誰もが認める通りだと南郷も思う。
しかし、そんなのをこんなところで発揮する必要はない、断じて。
「もうちょっと…―」
寝汚いふりをして、南郷は寝返りを打とうとする。しかしいつの間にか顔面を赤木に固定されていて、最後まで体勢を入れ替えることはできなかった。
「おはよう」
南郷は恐る恐る目をあけた。目の前には予想通り赤木の顔が。
「……」
人に目覚めの瞬間を見られるのはどうにも恥ずかしいものだと南郷は思う。しかし赤木は楽しむようにそれを眺めている。顔をすぐ傍に近づけて。
針のような視線を感じるのは、目覚めるほんの少し前から。
夢というものには、往々にして実際の出来事が作用する。
暫く前から、南郷は度々おかしな夢を見ていた。誰かが目からビームを発射し高らかに笑いながら攻撃してくる夢。始めは妙な夢だと笑い飛ばしていたところ、それが何日も続き、段々とその誰かの顔が明瞭に赤木のかたちを成してきた。これはおかしい、どうしたことだ。流石に南郷はいぶかしんだ。
赤木…、確かに赤木がきてからというもの毎晩のように体を求められては貪るように食われているわけだが、それは今に始まったことではない。どうしてこのタイミングで、しかもあんなファンタジックな夢を…
はた、と思い当たった。同時にそれがほぼ核心をついた答えであろうと南郷は確信した。
夢を見始めてから、毎朝目が覚めると赤木と目が合うのだ。
こんなこと誰かに相談しようものなら、のろけにしか聞こえないんだろう。
しかし南郷にしては死活問題だった。その夢はほとほと恐ろしく、南郷にいつか本当に射殺されてしまうのではないかという恐怖さえ与えるものだった。
きっとそうだ。赤木は俺が目覚めるのをちょっと前から察知してじっと見詰めているんだ。
「な、なあ、アカギィ」
「なに?」
流石にあまりに間近に顔を付き合わせすぎるのは居づらかったので、南郷は上体を起こした。赤木もつられて体を起こす。
「お前…、その、…なんだ、最近、よく目が合うよな」
何やらまわりくどい言い方をしすぎて、自分でも何がききたいのかよくわからない台詞になってしまった。
それは赤木にも同じだったようで、嬉しそうに笑って、そうだねと返してくる。
何やら誤解を与えてしまった気さえする。南郷はなんだか恥ずかしくなって、がばっと立ち上がると、顔洗ってくる!と洗面所にかけこむのだった。
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今のはちょっと予想外だったな。未だ南郷のぬくもりの残る、広げられた布団に埋もれながら、赤木は思った。
いかつい外見に似合わず、南郷は本当に可愛らしい。先程の台詞にしかり、その後の照れ隠しも、実にいい歳したおっさんとは思えないほどにうぶでからかい甲斐があって本当に可愛い。
寝覚めの南郷を凝視するというここ最近の行為も、ひとえに起きぬけの焦点の定まらない視線を第一に浴び、それから徐々に意識の覚醒する様を観察し、さらに目の前の対象を認識するまでの数秒を待ち、更に更に照ながらのおはようというあいさつを受け取った後に、軽くキスを交わし(中略)何がひとえか!それは赤木にとっては十重二十重ほども目的のある行為だった。南郷が、どうやら自分の寝顔を観察されているらしいことに気付いたようだということに、赤木はもう気付いていた。そのせいで妙な夢を見ているらしいことにも。だが、そういった諸々の反応さえ愛しいのだから仕方ない。
開き直って、赤木は、次は何をしてやろうかと真剣に考え始めるのだった。
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白状すると全然一時間で終わらなかった
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