適当日記。文について、CPが特に明記されていないものは南赤の方にも赤南の方にも読めると思われます。
≫ふぇー
Category : 文
もうほんとだめやわ。
誤字脱字が消えません。どうしたら彼らは私の元から歩み去ってくれるのでしょうか。教えて!誰でもいい!魔でも!
魔 「だが断る。」
なんつーか書いてるうちにどんどん方向性が変わってしまうのってどうにかならんのでしょうか。下書きするべきか。
↓多分しげるが30代後半くらいの話です。一応メイリリーとかの話に関連してる・・んじゃないかなー。
このくらいの年齢が自分的には一番描きやすいかもしれないです。
いつか老南郷さんと神域がこころゆくまでほのぼのいちゃつく本を作りたいんだぜー。
誤字脱字が消えません。どうしたら彼らは私の元から歩み去ってくれるのでしょうか。教えて!誰でもいい!魔でも!
魔 「だが断る。」
なんつーか書いてるうちにどんどん方向性が変わってしまうのってどうにかならんのでしょうか。下書きするべきか。
↓多分しげるが30代後半くらいの話です。一応メイリリーとかの話に関連してる・・んじゃないかなー。
このくらいの年齢が自分的には一番描きやすいかもしれないです。
いつか老南郷さんと神域がこころゆくまでほのぼのいちゃつく本を作りたいんだぜー。
*****
ちゃぶ台に突っ伏して大いびき。
よだれすら垂らさんばかりの幸せそうな寝顔だった。
傍らに積まれた紙の束とその後頭部を見比べ、赤木はふうと息をつく。
よほど疲れていたのだろう、赤木が玄関をガラガラ開けて、ミシミシ床を軋ませながら近づいたところで南郷は一向に目を覚ます気配を見せなかった。閉じられた瞼の下の隈が濃い。
赤木は部屋の脇に追いやられていたうすっぺらい座布団を足元に引っ張り、斜め向かいに腰を下ろした。
ちゃぶ台に肘をついて南郷を見詰める。
実によく寝ている。
据わりのよい体勢を探してか、南郷は腕に額を擦り付けながら身じろぎした。古びたちゃぶ台が傾き、脇に置かれた湯呑みが、カタ、と音をたてた。
「…おっと」
赤木はさっと手を伸ばしてそれを手元に引き寄せた。
まだ僅かにぬくもりを残したままの緑茶が、幾重にも糸のような波紋を描き器の中でゆらゆら揺れていた。
それを口許に運ぶと、一口含んだ。
(…薄い…)
また出がらしになるまで淹れていたらしい。貧乏性ってのはなおるもんじゃあないんだな、赤木は思った。昔からよくこんな茶を飲まされた。まあそれに関して特にこだわりなど持っていなかったので、お茶風味の水だろうが、ただのぬるま湯だろうが、何を飲まされようと赤木にとってはどうでもよい事だった。しかし南郷はたまに気にして、すまんなあ貧乏性なんだ、謝ってみせた。どうやら身に染み付いた習慣らしく改まることはなかったが。
ず、と、もう一口茶を啜った。
伏せられた頭の、つむじを見詰める。そういやあ、この人つむじがふたつあったっけ。そんなことを思いながら、赤木はこんな角度から南郷を見詰めたことがほとんどなかったことに気付いた。
身長は南郷の方が幾分高かった。そのため、頭頂部なんてものを日常生活で拝むようなことはほとんどなかったのだ。上から見下ろすことのままある最中においては、そんなことを意識する余裕などない。
いつの間にか白髪の目立つようになった髪をつむじを逆撫でるようにひと撫でして、赤木は小さく笑った。
まさぐるのではなく、こうやってただ撫でるなんて事、もしかしたら初めてしたかもしれなかった。
自分も歳をとった。
そうして初めて、こんな風に黙って見詰めることがただ幸福だと思えることがあるのだと知った。
規則正しく上下する南郷の背中を横から見ながら、そりゃあ白髪も増えるよなあ、赤木は思った。
気がつけばえらく長いことこうしてつかず離れず共にいた。
互いに何かを与え合うようでも、奪い合うようでもあった。
しかし、ただ擦れ違うだけの通行人のように、互いに何の影響も与えない、まるきり他人のような関係でもあった。
まったく奇妙な間柄だった。
生まれて数十年、表裏どちらの世界においても、数多くの人間と出会った。
しかし、こんな関係を築けたのは、この人との間にだけだった。
初めはキブアンドテイク。取引という細い糸が繋ぐだけのか細い関係だった。
そしてその糸は今でも十分に細いはずだった。
ただ、それは限りなく長くて、どこまでも伸びるのだった。
追うようではなく、空気のようにただ存在して、いつでも生き急ぐことしかできない自分に時折後ろを振り返らせる。そして、暗闇に伸びる蜘蛛の糸のような細い線を辿って、たどり着いた先で自分が人であることを実感させられた。
何の代償も求めずに、ただこの身を案じてくれる。
どんなに粗暴に扱おうとも、最終的には両手を広げて迎え入れてくれた。
お人好しというか、寛容というか、単に人を見る目が無い馬鹿なだけなのかもしれないが、
しかし、その目の節穴に何度も救われたのは曲げえぬ事実だった。
裏側から引きずってきた狂気を何度もぶつけては、死の淵をさまよわせる程に苛んだりもした。
決まって、去り際は唐突だった。
それでも気まぐれに糸を辿る自分に、何度でも、彼はこう告げるのだ。
おかえり。
そういえば、今日は未だ聞いていなかったか。
南郷がううんと唸り、また身じろぎした。
まぶたがぴくぴくと動く。
覚醒が近いのかもしれない。
赤木は腰を上げた。
湯飲みを握り締めると、台所へと足を進める。
さて、茶でも淹れてやろうかね。
ちゃぶ台に突っ伏して大いびき。
よだれすら垂らさんばかりの幸せそうな寝顔だった。
傍らに積まれた紙の束とその後頭部を見比べ、赤木はふうと息をつく。
よほど疲れていたのだろう、赤木が玄関をガラガラ開けて、ミシミシ床を軋ませながら近づいたところで南郷は一向に目を覚ます気配を見せなかった。閉じられた瞼の下の隈が濃い。
赤木は部屋の脇に追いやられていたうすっぺらい座布団を足元に引っ張り、斜め向かいに腰を下ろした。
ちゃぶ台に肘をついて南郷を見詰める。
実によく寝ている。
据わりのよい体勢を探してか、南郷は腕に額を擦り付けながら身じろぎした。古びたちゃぶ台が傾き、脇に置かれた湯呑みが、カタ、と音をたてた。
「…おっと」
赤木はさっと手を伸ばしてそれを手元に引き寄せた。
まだ僅かにぬくもりを残したままの緑茶が、幾重にも糸のような波紋を描き器の中でゆらゆら揺れていた。
それを口許に運ぶと、一口含んだ。
(…薄い…)
また出がらしになるまで淹れていたらしい。貧乏性ってのはなおるもんじゃあないんだな、赤木は思った。昔からよくこんな茶を飲まされた。まあそれに関して特にこだわりなど持っていなかったので、お茶風味の水だろうが、ただのぬるま湯だろうが、何を飲まされようと赤木にとってはどうでもよい事だった。しかし南郷はたまに気にして、すまんなあ貧乏性なんだ、謝ってみせた。どうやら身に染み付いた習慣らしく改まることはなかったが。
ず、と、もう一口茶を啜った。
伏せられた頭の、つむじを見詰める。そういやあ、この人つむじがふたつあったっけ。そんなことを思いながら、赤木はこんな角度から南郷を見詰めたことがほとんどなかったことに気付いた。
身長は南郷の方が幾分高かった。そのため、頭頂部なんてものを日常生活で拝むようなことはほとんどなかったのだ。上から見下ろすことのままある最中においては、そんなことを意識する余裕などない。
いつの間にか白髪の目立つようになった髪をつむじを逆撫でるようにひと撫でして、赤木は小さく笑った。
まさぐるのではなく、こうやってただ撫でるなんて事、もしかしたら初めてしたかもしれなかった。
自分も歳をとった。
そうして初めて、こんな風に黙って見詰めることがただ幸福だと思えることがあるのだと知った。
規則正しく上下する南郷の背中を横から見ながら、そりゃあ白髪も増えるよなあ、赤木は思った。
気がつけばえらく長いことこうしてつかず離れず共にいた。
互いに何かを与え合うようでも、奪い合うようでもあった。
しかし、ただ擦れ違うだけの通行人のように、互いに何の影響も与えない、まるきり他人のような関係でもあった。
まったく奇妙な間柄だった。
生まれて数十年、表裏どちらの世界においても、数多くの人間と出会った。
しかし、こんな関係を築けたのは、この人との間にだけだった。
初めはキブアンドテイク。取引という細い糸が繋ぐだけのか細い関係だった。
そしてその糸は今でも十分に細いはずだった。
ただ、それは限りなく長くて、どこまでも伸びるのだった。
追うようではなく、空気のようにただ存在して、いつでも生き急ぐことしかできない自分に時折後ろを振り返らせる。そして、暗闇に伸びる蜘蛛の糸のような細い線を辿って、たどり着いた先で自分が人であることを実感させられた。
何の代償も求めずに、ただこの身を案じてくれる。
どんなに粗暴に扱おうとも、最終的には両手を広げて迎え入れてくれた。
お人好しというか、寛容というか、単に人を見る目が無い馬鹿なだけなのかもしれないが、
しかし、その目の節穴に何度も救われたのは曲げえぬ事実だった。
裏側から引きずってきた狂気を何度もぶつけては、死の淵をさまよわせる程に苛んだりもした。
決まって、去り際は唐突だった。
それでも気まぐれに糸を辿る自分に、何度でも、彼はこう告げるのだ。
おかえり。
そういえば、今日は未だ聞いていなかったか。
南郷がううんと唸り、また身じろぎした。
まぶたがぴくぴくと動く。
覚醒が近いのかもしれない。
赤木は腰を上げた。
湯飲みを握り締めると、台所へと足を進める。
さて、茶でも淹れてやろうかね。
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